【アナザースカイ】世界で活躍するデザイナー佐藤オオキさんの経歴とは?

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「デザイナー」という仕事に、どんなイメージを持っていますか?
服を作る人、建物を設計する人、グラフィックを描く人など、デザインにはさまざまなジャンルがあります。
その中でも、建築やプロダクト(製品)デザインを中心に世界中から注目されている日本人がいます。
それが「佐藤オオキ」さんです。
ここでは、佐藤オオキさんの経歴をわかりやすく紹介していきます。

目次

佐藤オオキさんとは?

佐藤オオキさんは「nendo(ネンド)」というデザイン会社の代表であり、自らもデザインを手がけるトップクリエイターです。
彼の名前は、建築や家具、日用品、ホテルの内装にいたるまで、幅広い分野で見かけるようになっています。
若い頃から注目され、今では世界中の企業や美術館とも仕事をする国際的なデザイナーです。

佐藤オオキさんの生い立ちと経歴

 1977年、カナダで誕生

佐藤オオキさんは1977年、カナダのトロントで生まれました。
父親の仕事の関係で海外で幼少期を過ごし、日本語と英語の両方に親しんだそうです。
そうした国際的な環境が、のちのデザイナーとしての広い視野に大きな影響を与えました。

日本での教育と建築との出会い

中学・高校は日本で過ごし、やがて早稲田大学理工学部建築学科に進学します。
最初からデザイナーを目指していたわけではなく、建築を学ぶうちに「人の暮らしを形づくるデザイン」に惹かれていったといいます。

大学卒業後はそのまま大学院へと進学し、2002年には早稲田大学大学院修了。
その年に「nendo(ネンド)」を立ち上げ、自らのデザイン活動を本格的にスタートさせました。
ネンドという名前には、「粘土のように自由に形を変えて、柔軟な発想でデザインを行う」という意味が込められています。

ネンドのデザインが世界に注目される

nendoのデザインは、日本的な「引き算の美学」と、ユーモアや驚きのあるアイデアが特徴です。
たとえば、普通のイスに見えて実は収納がついていたり、コーヒーカップが重力で傾いていたりと、シンプルながらも「なるほど!」と驚く工夫が詰まっています。

この独自のスタイルが世界のデザイン業界で高く評価され、2006年にはイタリアの有名デザイン誌『Wallpaper*』で「世界で最も注目すべき若手デザイナー」として紹介されました。
それ以降、ヨーロッパを中心に各国の企業やブランドとコラボレーションを行い、美術館でも作品が展示されるようになりました。

活躍の場は家具から建築まで

佐藤さんが手がけるのは、家具や日用品だけではありません。
日本の空港ラウンジ、ホテルの内装、企業のオフィスデザインなど、大きな空間もデザインしています。
また、ロゴやパッケージデザイン、スプーンや靴など、私たちの身近にあるものまで幅広く関わっています。

彼の作品の特徴は、どれも「考え抜かれたシンプルさ」があること。
ムダを削ぎ落とし、でも人が触れたときに楽しくなる工夫がしっかりと入っています。

デザイナーとしての哲学と発信力

佐藤オオキさんは、ただ作品を作るだけでなく、「考え方」も大切にしています。
彼はよく、「デザインは、問題を解決する手段だ」と語ります。
つまり、見た目を良くするだけでなく、使いやすさや意味を考えることがデザイナーの役割だというのです。

また、彼は本の執筆やテレビ出演、講演活動なども積極的に行っています。
デザインの裏側にある思考を、一般の人にもわかりやすく伝えることを大切にしているのです。

書籍には『ネンドノカンド -脱力デザイン論-』『ウラからのぞけばオモテが見える』『nendo ghost stories』などがあります。

受賞歴

Newsweekによる注目(2006〜2007年)

アメリカのニュース誌 Newsweek では、佐藤さんが「世界が尊敬する日本人100人」(2006年)に選ばれました。
次の年には、nendoが「世界が注目する日本の中小企業100社」に選出されました。

国際誌からの高評価(2012年)

2012年には、イギリスの Wallpaper 誌から「Designer of the Year(デザイナー・オブ・ザ・イヤー)」に ★最年少★ で選ばれました。
また、イタリアの ELLE DECO International Design Awards でも「Designer of the Year(デザイナー・オブ・ザ・イヤー)」を受賞しました。

 世界的な展示会での栄誉(2013年~2015年)

2013年には、トロントの Interior Design Show やストックホルムの Furniture & Light Fair で「Guest of Honor(名誉ゲスト)」に選ばれた経験があります。

2015年には、パリのメゾン・エ・オブジェ(Maison & Objet)にて「Designer of the Year(デザイナー・オブ・ザ・イヤー)」に選ばれ、インテリア分野でも世界的注目を集めました。

 続く受賞と評価(2016年〜)

2016年には、イギリスの建築・デザイン紙 dezeen の “Designers Hot List” でナンバーワンを獲得しました。
さらに、台湾の「World Design Capital Taipei」のプロデューサーを務め、ゴールデン・ピン・デザインアワードの審査委員長なども務めました。

2017年には WORLD RETAIL AWARD の「Store Design of the Year(店舗デザイン年間賞)」を受賞。
2018年には Blueprint Awardsで「Blueprint Award for Design」を獲得しました。

2019年には、ドイツとヨーロッパを中心とする建築雑誌 AW Architektur & Wohnen から「Designer of the Year 2019」を受賞し、同年「Design Anthology Awards(Design Anthology Awards 2019)」で “Industrial Designer(工業デザイナー部門)” に選出されています。

「世界で活躍するデザイナー佐藤オオキさんの経歴とは?」まとめ

佐藤オオキさんの経歴をたどると、「国際的な視点」「柔らかい発想」「使う人へのやさしさ」が強く感じられます。デザインとは特別な才能を持つ人だけのものではなく、日常の中の「ちょっとした工夫」や「他人を思いやる心」から始まることがよくわかります。
彼の考え方や生き方は大きなヒントになるはずです。
将来、どんな仕事につくとしても、「どうすればもっと良くなるか?」を考える力は、どの世界でも通じる大切な力です。
佐藤オオキさんは、まさにそれを体現する、日本を代表するデザイナーのひとりです。

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