夏の森の中を歩いていると、小さな黒いアリたちがぞろぞろと列をなして動いていることがあります。
でも、よく見るとその列はどこか普通のアリとは違う…。
巣を持たず、いつも移動しながら暮らすアリ――それが「サスライアリ」です。
「サスライアリってなに?」「どうやって暮らしてるの?」「なぜさすらうの?」
この記事では、そんな不思議な生き方をするサスライアリの生態について、わかりやすく解説していきます。
アリの基本的な暮らし
まずはアリの一般的な生活を簡単に確認しましょう。
一般的なアリの特徴 | 説明 |
巣を作る | 土の中や木の中に巣を作り、そこで暮らす |
女王アリが産卵 | 女王アリが卵を産み、働きアリが世話をする |
働きアリは定住 | 働きアリは外へエサを探しに行き、巣に戻る |
敵から巣を守る | 巣は生活の拠点であり、安全地帯でもある |
でも、サスライアリはこれとはまったく違う暮らしをしているのです。
サスライアリの生態をわかりやすく解説!
◉ サスライアリとは?
サスライアリは、中央アフリカの熱帯雨林地域などに生息しているアリの一種です。
特徴はなんといってもその「定住しない生き方」。
サスライアリの群れは、毎日のように場所を変えて生活し、巣を作ることなく移動しながら狩りをするのです。
◉ なぜ「さすらう」の?
サスライアリが定住しない理由は、肉食性であることが関係しています。
彼らは他の昆虫、特にシロアリや他のアリの幼虫などを集団で襲って食べます。
つまり、一ヶ所に留まると食料がなくなってしまうため、次々に移動しなければならないのです。
◉ 移動する巣「ビボウアック(仮の巣)」
サスライアリの巣は、アリの体でできています。
木の根元や岩陰などで、数万匹のアリが体をつなげてドーム状の「仮の巣(ビボウアック)」を作るのです。
この仮の巣は、夜になると女王アリと幼虫たちを守る安全な場所となります。
朝になると壊して、また移動する――それが彼らの生き方なのです。
◉ 狩りのしかたもチームプレイ!
サスライアリは大量の働きアリが一斉に狩りに出るスタイルです。
- 先頭のアリが獲物のにおいを感知
- フェロモンで道しるべをつけながら移動
- 数千匹が一直線に襲いかかる
- 獲物を噛みちぎって巣に持ち帰る
この狩りによって、数時間のうちに森の小動物が丸ごと消えてしまうこともあります。
他のアリとの違いと生き物との関係
◉ 他のアリとの違いは?
比較項目 | サスライアリ | クロオオアリ(例) |
巣の有無 | なし(移動式) | あり(定住) |
食性 | 完全な肉食 | 雑食(甘いものなども食べる) |
行動 | 集団で狩り、常に移動 | 単独または少人数で行動 |
繁殖 | 特定の定住期に集中 | 年間を通して可能なことが多い |
◉ サスライアリと共生する生き物も?
移動中のサスライアリの群れにくっついて暮らす共生昆虫も存在します。
たとえば、サスライアリに似せた姿で群れの中に潜むハエやゴキブリの仲間などです。
彼らはサスライアリの出す食べ残しを狙って生きています。
「サスライアリの生態に迫る!なぜ「さすらう」?」まとめ
サスライアリは、普通のアリとはまったく違う、ダイナミックで自由な生き方をしています。
巣を持たず、日々移動しながら、仲間と連携して狩りをする――それはまるで「小さな軍隊」のようです。
皆さんにとって、サスライアリの生態は驚きと発見に満ちていたのではないでしょうか。
もしアフリカに行くことがあれば、ちょっと観察してみてください。
でも、近づきすぎると噛まれることもあるので、注意してくださいね。