近年、日本各地で「外来魚アリゲーターガー」の目撃や捕獲ニュースが相次いでいます。
鋭い歯とワニのような顔つき、最大3メートルにもなる巨体は、見る人に衝撃を与えます。
本来は北米に生息する魚ですが、ペットとして輸入され、やがて飼育困難から放流される事例が増え、日本の水辺環境に深刻な影響を与えています。
令和7年8月10日放送の「ザ!鉄腕!DASH!!」で取り上げられる外来魚は「アリゲーターガー」ではないかと推測されます。
目次
アリゲーターガーとは
- 学名:Atractosteus spatula
- ガー科に属する古代魚
- 北米のミシシッピ川流域やメキシコ湾沿岸に生息
- 野生で50年以上生きる個体も存在
図1:アリゲーターガーのイメージ図

アリゲーターガーの生態
1. 基本データ表
項目 | 内容 |
原産地 | 北米(ミシシッピ川流域、メキシコ湾沿岸) |
最大体長 | 約3メートル |
最大体重 | 約137キロ |
寿命 | 野生50年、飼育下70年以上 |
食性 | 肉食(魚類、鳥類、カメ、小型哺乳類など) |
呼吸 | エラ呼吸+肺呼吸 |
繁殖期 | 春〜初夏 |
2. 体の特徴
- 全身を覆うガノイン鱗は非常に硬く、鎧のような防御力
- ワニのような吻と鋭い歯
- 側線感覚で水中の動きを感知し、素早く捕食
図2:捕食プロセス

3. 食性
夜行性で、夕方から夜にかけて活動が活発化します。
主な獲物は魚類ですが、カメや水鳥、小動物を捕らえることもあります。
4. 呼吸の仕組み
肺呼吸もできるため、酸素が少ない沼や湿地でも生存可能。
これが生息域拡大の要因の一つです。
5. 繁殖と成長
- 卵は緑色で粘着性があり、水草や石に付着
- 卵には毒性があり、人や動物が食べると中毒を起こす危険
- 幼魚は急速に成長し、数年で1メートル近くに達する
日本での問題点
生態系への影響
アリゲーターガーは頂点捕食者として、在来魚や水生生物を大量に捕食します。
日本の河川では天敵がいないため、定着すると個体数が増えやすいです。
人への影響
基本的には人を襲いませんが、釣りや捕獲の際には強い力と歯でケガをする危険があります。
規制
2023年から特定外来生物に指定され、飼育・販売・輸入は禁止。
違反すれば罰則があります。
表2:日本でのアリゲーターガー問題のポイント
問題点 | 内容 |
生態系破壊 | 在来魚の捕食、競合 |
飼育放棄 | 巨大化や長寿命で飼いきれないケース |
規制強化 | 外来生物法による禁止と罰則 |
駆除の難しさ | 広い行動範囲と高い環境適応力 |
「外来魚アリゲーターガーの生態と日本での脅威とは?」まとめ
アリゲーターガーは魅力的な姿と古代魚としての希少性を持ちながら、日本の生態系にとっては脅威となる外来魚です。
長寿命で巨大化するため、ペットとして安易に飼うことは難しく、放流は重大な環境問題を引き起こします。
私たちができることは、正しい知識を持ち、違法飼育や放流をしないこと。
そして、見かけた場合は自治体や環境省に報告することです。