【検証】サッカー日本代表のユニフォームはなぜ青い?

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サッカー日本代表といえば、ピッチで鮮やかに映える「青」のユニフォームが象徴的です。
特にサッカー日本代表は「サムライブルー」という愛称でも親しまれ、多くの国民の記憶にその「青」が焼きついています。
しかし、そもそもなぜ日本代表のユニフォームは「青」なのでしょうか。
国旗の色は赤と白、そして日本の伝統色といえば紅や白が思い浮かびます。
それにもかかわらず、なぜ「青」が日本代表の象徴として選ばれたのか。その理由や歴史、背景にある物語をひもといていきます。

目次

サッカー日本代表「青」の原点はいつ?

サッカー日本代表が青いユニフォームを着用したのは、1930年に行われた「極東選手権大会」が最初とされています。
この時代、日本のナショナルカラーに明確なルールや概念はまだ存在しておらず、代表チームがどのような色を選ぶかはある程度の裁量がありました。
当時のユニフォームは濃い青、現在でいうところの「ロイヤルブルー」に近い色味だったとされています。

この初代ユニフォームの色こそが、のちの日本代表のアイデンティティの始まりとなるのです。

「青」が選ばれた背景とは?

なぜこのとき「青」が選ばれたのかについて、明確な公式記録は残されていません。しかし、複数の説が存在しています。

大学サッカー強豪校「東京帝国大学」の影響

当時の日本代表メンバーの多くは、東京帝国大学(現・東京大学)や慶應義塾大学などの学生が占めていました。
これらの学校のユニフォームは紺や青を基調としており、それがそのまま代表にも反映されたとする説です。
特に東京帝国大学のユニフォームが「濃紺」であったことが、代表カラー決定に影響した可能性があると言われています。

西洋への憧れと信頼の色

明治時代以降、西洋への強い憧れや尊敬があった日本にとって、青は「文明」「誠実」「理知的」といったイメージを伴う色でもありました。
ヨーロッパの王侯貴族も青を好んだことから、「品格」や「信頼感」を演出できる色として好まれたのではないかという分析もあります。

白赤の競合回避説

国旗と同じく白や赤を代表カラーにすると、他国代表とユニフォームの色が重なる可能性が高くなります。
例えば、赤を代表色とする国にはスペイン、ベルギー、韓国などがあり、国際大会では混同の恐れがあります。
その点で「青」は比較的希少で、ユニフォームとしての視認性が高かったことも要因と考えられます。

国土を取り巻く海説

1930年の日本代表は、様々な大学から集まったバラエティに富んだメンバーでした。
そのため、ユニフォームを決めるにあたり、「国土を取り巻く海」をコンセプトに「青」を採用したとも考えられます。

「サムライブルー」という名前の定着

1990年代以降、サッカー人気の高まりとともに、「青」のユニフォームも国民に強く認識されるようになりました。
2006年には日本サッカー協会が「サムライブルー」という愛称を公式に用い始め、国際大会でもメディアに多く取り上げられたことで定着していきます。

この「サムライブルー」という表現には、「武士道」や「冷静な強さ」といったイメージが込められており、日本の文化的背景とも結びつくネーミングとなっています。
単なる色ではなく、「青」という選択には日本人らしさを象徴する精神的意味合いも含まれていたのです。

他競技では白や赤も存在

ほかのオリンピック競技などでは日本代表のユニフォームは白や赤が基調となっているケースが多く、サッカーの「青」はやや特殊なケースとも言えます。
これはサッカー界が比較的早い段階で独自の代表色を確立したことを示しており、長い歴史を通じて「青」が伝統色として根づいていったことが分かります。

デザインと技術の進化

近年の代表ユニフォームは、単に「青」であるだけでなく、グラフィックや細部にまでこだわったデザインが施されています。
たとえば、2022年のカタールW杯で着用されたユニフォームは、「折り紙」からインスピレーションを得た幾何学模様が配置されており、日本文化を世界に発信する要素が取り入れられました。
色の「青」も一色ではなく、ロイヤルブルーやネイビー、スカイブルーなど複数の青が組み合わされることで、単なる伝統を超えた新しい意味が込められています。

「サッカー日本代表のユニフォームはなぜ青い?」まとめ

サッカー日本代表のユニフォームが青い理由は、一言で説明できる単純なものではありません。
歴史的な偶然、大学サッカーの影響、他国との識別性、西洋文化への憧れ、そして現代における「サムライブルー」というブランド戦略。
こうした要素が複合的に絡み合い、いまの青いユニフォームへとつながっています。

「青」はもはや単なる「色」ではなく、日本代表としての誇りや精神を象徴する存在です。
国旗とは異なる色でありながら、多くの国民がその青に熱狂し、共に戦う気持ちを共有する。
それこそが、青のユニフォームが持つ最大の力なのかもしれません。

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