今年2025年7月20日(日)投開票の第27回参議院議員通常選挙は、国民生活や国家の未来に深く関わる重要な選挙です。
「物価高」「少子高齢化」「人口減少」といった課題が山積する中、各政党・候補者はどのような争点と政策を打ち出しているのでしょうか。
ここでは、政治初心者の方にも理解しやすく、争点ごとに政党別の政策を豊富な情報とともに整理してご紹介します。
目次
基本情報
- 投開票日:2025年7月20日(日)
- 主な争点:物価・税制、所得・給付制度、インボイス制、人口減・少子化、社会保障・安全保障など
(参照:all-senmonka.jp) - 比較対象:自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、社民党、日本維新の会ほか主要政党
各政党の争点ごとの立場
物価高・税制(消費税・所得税・控除)
争点: 物価高対策としての減税や控除拡大が中心。
- 自民・公明(与党):軽減税率・基礎控除の見直し、給付・減税パッケージ
(参照:all-senmonka.jp、komei.or.jp) - 立憲民主党:2年間限定で食料品の消費税率0%を提案。給付付き税額控除も検討
(参照:all-senmonka.jp) - 国民民主、共産、れいわ、社民:消費税5%や廃止を強く主張
(参照:all-senmonka.jp) - 所得税・控除拡大:与党は控除額引き上げや「103万円・130万円の壁」見直しを協議
(参照:all-senmonka.jp) - 立民・共産ら:累進課税や給付付き税額控除(フラットまたは累進強化)を打ち出している
- (参照:all-senmonka.jp)
インボイス制度と中小事業者
争点: 2023年10月導入のインボイス制度による中小・フリーランスへの負担。
- 立憲民主、共産、国民、社民、れいわ:制度廃止・見直しを強く提案
- (参照:all-senmonka.jp)
- 与党:負担軽減措置を設けながら継続推奨
人口減少・少子高齢化
争点: 出生数の急減、超高齢化、社会インフラや公共サービスの維持。
- 東京財団では「出生数が2024年は約68万に減少し、人口減少が日本最大の危機」と指摘
(参照:tkfd.or.jp) - 政策例:
- 与野党共通:子育て支援の拡充、教育・保育無償化
- 独自政策:財界主導の人口集中や地域再編を促す大胆な行政改革(東京財団提案)
(参照:komei.or.jp)
社会保障・働き方改革
争点: 給付、福祉、最低賃金、雇用制度改革など。
- 与党:家計支援、奨学金減税、エッセンシャルワーカー賃上げ
- (参照:komei.or.jp)
- 立民・共産・社民:ベーシックインカム議論や社会保障のベース拡充へ動く
(参照:all-senmonka.jp) - 日本維新の会:労働市場流動化、小政府改革、地方分権、規制緩和を推進
(参照:zh.wikipedia.org)
安全保障・憲法改正
争点: 憲法9条改正、自衛隊の位置づけ、防衛費の拡充。
- 自民・維新:9条明記や緊急事態条項の導入、GDP比で防衛費増加の支持
(参照:zh.wikipedia.org) - 社民・共産・立民:慎重または反対の姿勢。憲法改正は論点の二分化。
各政党の具体的な政策背景と主張の特徴
自民党(自由民主党)
- 与党の中心政党として長年政権を担ってきた実績を強調し、「現実路線」「安定的運営」を訴えています。
- 物価高や減税には慎重で、財政とのバランスを重視しつつ、限定的な支援策(給付金・軽減税率・定額減税)で対応。
- インボイス制度は財源確保と透明性向上の観点から維持。
- 子育て支援や社会保障では、少子化対策に力を入れる一方で、制度の見直し(130万円の壁など)を段階的に進めています。
- 安全保障・防衛政策では、「国際情勢の変化」(ウクライナ情勢や台湾有事)を理由に、憲法改正・防衛費増額を主張。
公明党
- 与党の一角ですが、自民党に比べて生活者・庶民目線の政策を重視するスタンス。
- 物価高騰対策や福祉支援、教育費負担軽減に強いこだわりがあり、エッセンシャルワーカーの待遇改善にも積極的です。
- インボイスについては中小業者への配慮を強調しつつ、廃止までは踏み込まない「段階的緩和」案を提案。
- 憲法改正には慎重派であり、与党内でも一定のブレーキ役を果たしています。
立憲民主党
- 野党第一党として、与党との明確な対立軸を意識。
- 生活支援・社会保障の拡充、税の逆進性是正(消費税ゼロ、累進課税強化)を強く打ち出しています。
- インボイス制度には反対の立場で、中小事業者の保護やフリーランス支援を訴えます。
- 憲法改正には否定的で、9条改正や緊急事態条項導入には慎重。
- 働き方改革では「同一労働同一賃金の徹底」や非正規→正規雇用への流れを明確に打ち出しています。
国民民主党
- 「対決より提案」をスローガンに掲げ、現実的な改革型野党のポジションを取ります。
- 消費税5%提案や教育の無償化、家計と事業者の支援に力点を置いており、与党寄りでも野党寄りでもない中間路線。
- インボイスには批判的で、制度見直しを主張。
- 憲法改正は「内容次第で議論を進める」としており、慎重ながら柔軟な姿勢。
- 賃上げ・雇用安定と同時に、生産性向上や経済成長にも言及しており、バランス型の政策構成です。
日本共産党
- 明確な反自民・反資本主義の立場で、最も左派的な政策を展開。
- 消費税廃止・富裕層課税・社会保障の拡大を主張し、所得格差の是正に焦点をあてています。
- インボイスは「中小零細を苦しめる制度」として即時廃止を提案。
- 安全保障については「非武装中立」を掲げ、憲法9条を厳守、防衛費増加にも強く反対。
- 原発にも真っ向から反対し、即時全廃と自然エネルギーへの転換を推進しています。
日本維新の会
- 改革・民間活用・地方分権を軸とする中道右派政党。
- 減税や規制緩和、小さな政府を志向し、自助努力・競争原理を重視する政策設計。
- インボイス制度には容認的立場で、「合理化・簡素化」が主張の中心。
- 安全保障では改憲・防衛費増額・敵基地攻撃能力保有を認めており、自民党に近い主張も多い。
- 最低賃金は「地域差容認」の立場を取り、全国一律案には慎重。
- エネルギー政策では原発再稼働+新型炉検討という独自色があります。
れいわ新選組
- 庶民救済・反緊縮財政・反既得権益を明確に打ち出す左派政党。
- 消費税廃止、インボイス即時撤廃、最低賃金1500円即時実施など、非常に急進的かつ明快な政策が多い。
- 社会保障は「ベーシックインカム」的要素を含み、政府支出による経済活性化を重視。
- 安保・憲法改正には一貫して反対し、軍事費の増額も否定。
- 「山本太郎」代表の強いメッセージ力と、若年層や非正規労働者からの支持を背景に展開。
社会民主党(社民党)
- 憲法擁護・反戦平和・反原発の立場を堅持する左派政党。
- 共産党やれいわに近い主張を展開するが、より「護憲・福祉・平和重視」路線が色濃い。
- 消費税ゼロ、インボイス廃止、教育費・医療費無償化などを訴え、生活の底上げ政策に注力。
- 防衛費増額や改憲には一貫して反対し、「立憲主義の回復」を掲げています。
- 原発についても明確な廃止路線を取り、自然エネルギーへの転換を強調。
【政策比較表】2025年参議院議員選挙・主要政党別争点まとめ
政策・争点 | 自民党 | 公明党 | 立憲民主党 | 国民民主党 | 共産党 | 維新の会 | れいわ新選組 | 社民党 |
物価高対策 | 給付+減税の併用 | 給付+軽減税率維持 | 消費税ゼロ(食料品限定) | 消費税5%へ減税 | 消費税5%へ引下げ | 規制緩和による価格是正 | 消費税廃止を明言 | 消費税5%またはゼロへ |
所得税・控除 | 控除拡大・壁撤廃 | 配偶者控除など見直し | 給付付き税額控除導入 | 給付+課税見直し | 累進課税強化 | 減税+制度簡素化 | 給付付き控除+富裕層課税 | 累進強化・低所得支援 |
インボイス制度 | 維持(緩和策) | 維持(柔軟対応) | 廃止を主張 | 廃止を主張 | 即時廃止を要求 | 維持(簡素化提案) | 即時廃止を明言 | 廃止を明言 |
少子化対策 | 教育無償化+支援拡充 | 給付金・保育支援 | 教育無償化・児童手当増額 | 教育+手当両面支援 | 教育完全無償化 | 教育バウチャー制 | 出産・教育費無償+現金支給 | 教育・子育て支援に重点 |
社会保障・福祉 | 現役世代と高齢者支援強化 | 介護・医療拡充 | 年金+医療+給付拡大 | 雇用・教育との両立 | 医療・介護・年金の底上げ | 小さな政府・選択的支援 | 最低生活保障・医療無償化 | 医療・年金・障害者福祉充実 |
最低賃金 | 年率3%以上引き上げ | 年100円目標 | 全国一律1500円目指す | 1200円目標 | 即時1500円以上 | 地域実情に応じ柔軟 | 一律1500円即時実施 | 一律1500円を段階的に |
働き方改革 | 育休制度拡充・柔軟化 | 非正規支援策推進 | 同一労働同一賃金徹底 | 正規雇用比率上昇 | 正規雇用中心主義 | 労働市場流動化促進 | ベーシックインカム議論 | 非正規の正規転換を推進 |
憲法改正 | 9条明記+緊急事態条項導入 | 慎重ながら一部容認 | 改憲反対または慎重 | 条文ごとに検討 | 改憲一切反対 | 9条改正を主張 | 改憲反対・護憲 | 明確に護憲派 |
安全保障・防衛費 | 防衛費GDP比2%容認 | 抑止力と対話のバランス | 軍拡反対・外交重視 | 抑止+対話両立 | 防衛費削減・非武装中立 | 自衛力強化・攻撃能力保有 | 防衛費削減を主張 | 非軍事中心・防衛費削減 |
エネルギー・原発政策 | 再稼働推進+再エネ併用 | 再エネ推進+原発活用 | 原発ゼロを将来目標 | 脱原発を段階的に | 原発即時ゼロ・自然エネへ転換 | 原発再稼働+新型炉検討 | 即時原発廃止 | 原発ゼロ・再エネ集中投資 |
「2025参議院議員選挙の争点と政策を徹底比較!」まとめ
- 主要争点は「物価・税制」「所得・控除」「インボイス」「人口減・少子化」「安全保障」(憲法・防衛費)に集約されます。
- 与野党でアプローチは明確に分かれています:
- 与党(自民・公明など)は減税・支援の継続、インボイス維持、段階的改革。
- 野党(立民・共産・れいわ・国民・社民)は減税・廃止、制度の抜本見直し、社会保障重視。
- 維新は市場・地方重視、小政府志向、憲法改正・防衛強化で独自色。
- 投票の際には、ご自身の関心領域(物価支援、税制、事業者支援、子育て、憲法など)に応じて各党の政策を比較し、選択することが重要です。